CHAPTER 07

月次レビュー会議の進め方 — アジェンダ + 判断テンプレート

2026 年 6 月 19 日 / 橋本 周平

月次レビュー会議は、エンプラ BDR の「経営判断インフラ」です。45 分の中で、5 指標を確認し、続行 / 調整 / 停止を判断し、来月計画を確定する。本章ではその標準アジェンダを示します。

月次レビュー会議の参加者

  • BDR チームリーダー (運用責任者)
  • RevOps / 営業統括 (KPI 集計担当)
  • CRO / 営業役員 (判断者)
  • マーケ責任者 (メッセージ刷新の協議)

4 名で 45 分。BDR メンバー全員参加は不要、リーダーが集約。

FIGURE 7-1

月次レビュー 45 分のフロー

0 5 15 20 30 40 45 分 前月 5 指標判定 原因仮説 判断 + log 来月の打ち手 報告書

標準アジェンダ (45 分)

0-5 分

0. 前月のサマリ

前月のアプローチ人数 / 本人と話せた人数 / 商談数を 1 枚で確認

5-15 分

1. 5 指標の信号

会話成功率 / ネガ率 / 残存率 / 商談化率 / 市場 NO シグナル率をそれぞれ中央値 (付録 A) と並べて緑黄赤で表示し、健全性スコア (信号点の合計、15 点満点) を出す

15-20 分

2. 信号悪化指標の原因仮説

黄 or 赤になった指標について、原因を 3 つ仮説 (メッセージ / セグメント / 量)

20-30 分

3. 判断: 続ける / 変える / 一旦退く / 判定保留

上から順に判定: 市場 NO シグナル率 20% 以上 → 一旦退く (STOP) / 当月 30 人未満 → 判定保留 / 健全性 11 点以下 or 市場 NO 5% 以上 → 変える (ADJUST) / それ以外 → 続ける (CONTINUE)。判断 + 理由を decision_log に記録

30-40 分

4. 来月の打ち手

変える / 一旦退く なら具体的な打ち手 3 つ (メッセージ / セグメント / 量 のいずれか)。続ける なら現状維持 + 観測継続

40-45 分

5. 経営報告フォーマット確認

CRO が経営層に上げる 1 枚レポートのレビュー

判断履歴の残し方 (decision_log)

月次レビューの判断は必ず記録します。「いつ」「どの指標を見て」「なぜその判断 (続ける / 変える / 一旦退く) をしたか」を時系列で残す。

テンプレ:

2026 年 6 月レビュー会議
--------------------
指標サマリ:
  会話成功率: 12% (中央値 14.6%、🟡)
  ネガ率: 24% (中央値 20.0%、🟡)
  残存率: 76% (中央値 82.3%、🟢)
  商談化率: 10% (中央値 13.0%、🟡)
  市場 NO シグナル率: 6% (中央値 5.2%、🟡)
  健全性スコア: 11 / 15 点 (中央値 11 点)

判定: 変える (ADJUST)
  健全性 11 点以下、かつ市場 NO シグナル率 5% 以上

判断理由:
  ネガ率が前月から +5pt 上昇。
  3 ヶ月後の会話成功率予測 (Y=-0.26X+0.19) で 13% 前後に下がる見込み。
  早期にメッセージ刷新が必要。

打ち手:
  1. 部長級メールの切り口を「商材紹介」→「業界事例の問い」に変更
  2. CXO 手紙の送付先業種を 2 → 3 に拡張 (リスト分散)
  3. 月間アプローチ量を 130 → 110 に減らす

判断者: CRO 山田太郎
記録者: BDR リーダー 鈴木花子

経営報告フォーマット (1 枚)

月次レビューの結果を、経営層に上げる 1 枚のフォーマット:

  1. 先月の活動量: アプローチ X 人 / 本人と話せた Y 人 / 商談 Z 件
  2. 市場状態: 5 指標の信号表 + 健全性スコア + 中央値との差
  3. 判定: 続ける / 変える / 一旦退く / 判定保留 のいずれか + 1 行理由
  4. 来月の打ち手: 3 つ以内、各 1 行
  5. 予算消化と ROI 試算: 当月コスト / 累積パイプライン / 6 ヶ月後 ROI 予測
  6. 経営判断を求める論点 (あれば): 例「Q3 でセグメント A の予算を撤退するか」

A4 1 枚に収まる。これが「事実が言った」状態で経営判断を促す形式。

月次レビューでやってはいけないこと

  • 商談数だけ報告する: 5 指標を抜くと「なぜ」が見えない
  • 中央値との比較を省く: 単独値は経営判断の根拠にしにくい
  • 判断を記録しない: 3 ヶ月後の振り返りで「なぜそうしたか」が分からなくなる
  • 「次は頑張る」で終わる: 具体的な打ち手 3 つを書く