BDR ベンチマーク
5 指標の目安と照合手順。

「うちの BDR の数字、正常? 異常?」を判断する共通の物差しは、これまで乏しかった。 本記事は 5 指標の定義と LOGOTORU OS の既定の目安、 それに無料診断 33 件の集計 (Market Index、2026 年 6 月 11 日時点で更新停止) の読み方をまとめた手順書です。

最終更新: 2026 年 9 月 25 日 / 著者: 橋本 周平 (リレーションシップ合同会社 代表)

TL;DR

BDR には共通の判定基準が乏しいため、「うちの数字は良いのか悪いのか」を経営層に説明しにくい。 本記事は、LOGOTORU OS が使う会話成功率 / ネガ率 / 残存率 / 商談化率 / 市場 NO シグナル率 の 5 指標と既定の目安、 無料診断 33 件の自己申告値を集計した Market Index (2026 年 6 月 11 日時点で更新停止) の読み方、自社と照合する 5 ステップをまとめた手順書。業種別の集計はありません。

SECTION 1

なぜベンチマークを公開するのか

BDR を運用している組織で、こんな会話を聞いたことはないでしょうか。 「先月のネガ率 22% って、これって普通? それとも悪い?」 「有効会話率 14% は業界的にどうなんだ?」 「うちのリスト残存率が 55% に落ちたけど、これは焦るべき水準?」

こうした問いに対して、これまで業界には共通の判断基準が存在しませんでした。 各社が「自社の去年との比較」「コンサルが言ったらしい体感値」「外資 SaaS の海外ベンチマーク」など、バラバラの基準で経営判断していたのが現実です。 その結果、続けるか・止めるかの判断が感覚と政治で決まり、後から振り返ると「もっと早く止めるべきだった」という事例が頻発していました。

LOGOTORU はこの状況を変えるために、2026 年 4 月から無料診断に集まった数字の集計値を公開しました。 目的は単純で、「市場の事実を公開知にする」こと。 個社の数字を晒すのではなく中央値を出すことで、「うちは中央値より上 / 下」を判断できる状態を作る。これが LOGOTORU Market Index です。 ただし集まったのは 33 件で、2026 年 6 月 11 日時点のスナップショットとして更新を停止しています。業界全体を代表する統計ではありません。

SECTION 2

ベンチマークの 5 指標

BDR の活動を「市場との対話」として捉えると、観測すべき指標は次の 5 つに集約されます。 目安は LOGOTORU OS の既定値です (閾値はテナント共通の 1 組で、テナント設定で変更できます。業種別の閾値はありません)。

会話成功率 (旧称: 有効会話率)

本人と話せた人数 ÷ 当月アプローチ人数 (手紙の送付先を含む)

市場の受容性。「あなたの声を聞きます」と答えてくれる割合。

緑

20% 以上

黄

10-20%

赤

10% 未満

ネガ率 (ネガティブ反応率)

拒否を返した人数 ÷ 本人と話せた人数 (温度 2「防衛」は含まない)

市場の鮮度。話せた相手のうち何割が「不要」「断る」と答えるか。STOP の条件ではありません。

緑

20% 未満

黄

20-30%

赤

30% 以上

残存率 (リスト残存率)

本人 NG・異動でない人数 ÷ アクティブ人数 (休眠の人・休眠の会社の人を除く)

リスト母数の枯渇具合。継続性のスコア。

緑

70% 以上

黄

50-70%

赤

50% 未満

商談化率

商談データの人数 ÷ 本人と話せた人数

会話が商談につながっているか。

緑

20% 以上

黄

10-20%

赤

10% 未満

市場 NO シグナル率 (旧称: ネガパーソン蓄積率)

拒否した人 ÷ 休眠を除く在籍人数 (未接触の人も含む)

リスト全体の汚染度。注意 5% / 警戒 10% / 停止 20%。停止ライン 20% 以上で STOP (一旦退く)。

緑

5% 未満

黄

5-20%

赤

20% 以上 (STOP)

健全性スコア (5 指標の合計)

LOGOTORU OS の健全性スコアは、上の 5 指標の信号を 緑 3 点 / 黄 2 点 / 赤 0 点 で採点した合計で、最大 15 点です (市場 NO シグナル率が停止ライン以上の月は 0 点)。 月次の判定は STOP (市場 NO シグナル率 20% 以上) → 判定保留 (当月アプローチ 30 人未満) → ADJUST (健全性 11 点以下 または 市場 NO シグナル率 5% 以上) → CONTINUE の順に決まり、 画面では 続ける / 変える / 一旦退く / 判定保留 と表示します。

※ 無料診断と Market Index の「健全性スコア (0〜100)」「CONTINUE / ADJUST / STOP」は、自己申告の 2 指標で出す簡易版の別スケールです。LOGOTORU OS の判定とは物差しが違います。

SECTION 3

Market Index (無料診断 33 件) の読み方

LOGOTORU Market Index は、無料診断フォームに送信された 33 件の自己申告値の集計です (2026 年 6 月 11 日時点のスナップショット、以後の更新は停止)。 中央値は 有効会話率 11% / ネガ率 25% / 健全性スコア 44 (診断独自の 0〜100) で、簡易判定は 22 件 (66.7%) が STOP、CONTINUE は 0 件でした。

Market Index には 4 つの KPI カード (上段) と、3 つの分布チャート (中段)、月次の内訳 (下段) が並びます。 読むときの優先順位は次の通り:

  1. 健全性スコアの分布 (ヒストグラム): 自社が分布のどこに位置するかを確認。中央値より低ければ要注意。
  2. CONTINUE / ADJUST / STOP の比率 (ドーナツチャート): 33 件のうちどれくらいが簡易判定で「止める」と出たかの肌感。
  3. バブルチャート (ネガ率 × 有効会話率): 自社の位置と、健全な企業群の位置の差を視覚化。
  4. 月次の内訳: 診断を送信した月ごとの内訳。各月の件数が少ないため、市場の推移としては読めません。

Market Index の数字は「正常値」ではなく「観測値」です。 だから「中央値を超えていれば安心」ではなく、 「中央値と健全な水準 (緑信号) の両方から見て、自社がどこにいるか」を確認することが正しい使い方です。 なお Market Index の判定と健全性スコアは無料診断の簡易版で、LOGOTORU OS の判定とは物差しが違います。

SECTION 4

業種別の傾向 — 摩耗パターンは業種で異なる (定性)

Market Index (無料診断) は業種を保存していないため、業種別の集計はありません (未収集)。 ここでは、支援経験から見えてきた業種別の摩耗パターンを定性的に整理します。数値の裏付けはなく、経験則です。

B2B SaaS

業界内の情報伝播が早く、同業他社が同じ部署を攻めている率が高い。 VP Sales / RevOps Director を狙う層は飽和気味で、Manager 層への分散 + プロダクト固有の角度で差別化しないと反応が落ちやすい。

製造業

母集団は大きく、量で押せる業種に見えるが、DX 推進部門が一斉に「もう連絡してこないで」モードに入っている時期がある。 業界カンファレンスや業界誌の話題に乗せたメッセージ設計が効く。執行役員〜部長級は逆に空いていることが多い。

金融 / 保険

コンプライアンスとセキュリティへの懸念が強く、初回接触で「営業に見える」要素があると即ネガ。 業界事例 + 監査・規制への配慮を冒頭に置くと会話につながりやすい。母集団は小〜中規模 (大手 3 メガ + 地銀グループ) で、枯渇しやすい。

医薬品 / ヘルスケア

決裁プロセスが長く、商談化までの距離が遠い。 ただし一度入ると LTV が極めて長い業種。リサーチパッケージ・PoC 型のアプローチが効き、量より質のチャネル設計が必須。 研究開発部門は母集団が小さく、短い期間で一巡して摩耗しやすい。

流通 / 小売

母集団は大きく、ネガ率は比較的低く出やすい。 ただしネガ反応が広く分散するため、月次集計で見ると「ちょっと悪化」程度にしか見えない。 気付くと累積の市場 NO シグナル率が停止ライン (20%) に近づいている、隠れ摩耗型になりやすい。

SECTION 5

自社の数字を目安と照合する 5 ステップ

  1. STEP 1

    先月の接触記録から 5 つの数字を集める

    月間アプローチ人数 / 本人と話せた人数 / 拒否を返した人数 / これまでに拒否した人の累計 / 休眠を除く在籍人数。BDR の CRM か Excel から集計可能。

  2. STEP 2

    3 つの率を計算する

    会話成功率 = 本人と話せた人数 ÷ アプローチ人数 / ネガ率 = 拒否を返した人数 ÷ 本人と話せた人数 / 市場 NO シグナル率 = 累計で拒否した人 ÷ 休眠を除く在籍人数。

  3. STEP 3

    5 指標の目安 (緑・黄・赤) と照らす

    SECTION 2 の既定の目安と並べ、赤や黄に入っている指標を特定する (= 直近 30 日で打つべき手の特定)。市場 NO シグナル率が 20% 以上なら、量を増やす前に一旦退くかを判断する。

  4. STEP 4

    Market Index の中央値を参考に見る

    Market Index のヒストグラム上で自社の位置を確認する。ただし無料診断 33 件の自己申告値 (2026 年 6 月 11 日時点、更新停止) で、業種別の集計はない。参考値として扱う。

  5. STEP 5

    無料診断で簡易判定を見る

    /diagnose/ に自社の数字を入れると 3 分で簡易判定 (CONTINUE / ADJUST / STOP) + 6 ヶ月の ROI 試算 + 推奨アクション 3 つが表示される。無料 (メールアドレスは任意)。簡易判定は LOGOTORU OS の判定とは物差しが違う。

SECTION 6

Market Index の母集団と更新状況

更新状況: Market Index は 2026 年 6 月 11 日時点のスナップショットで、以後の更新は停止しています。

母集団 (n): n=33 件 (診断送信数)。無料診断フォームに送信された自己申告値で、2026 年 4 月 19 日から 6 月 11 日までの分です。 テナントや接触ログの単位ではなく、同じ会社が複数回送信した場合も別件として数えます。

集計している値: 有効会話率・ネガ率・健全性スコア (診断独自の 0〜100) の 3 値と、そこから計算した予測 ROI です。 SECTION 2 の 5 指標をすべて集計しているわけではありません。

プライバシー: 公開するのは集計値だけで、個社の数字や社名を他社に見せることはありません。 ただし匿名ではありません。診断値は 1 件ずつ保存され、メールアドレス・会社名を入力した場合はそれらとともに保存されます。

業種別: 無料診断では業種を保存していないため、業種別の集計はありません (未収集)。 本記事 SECTION 4 の業種別の傾向は定性的な整理です。

FAQ

よくある質問

BDR ベンチマークとは何ですか?

BDR (Business Development Representative) の活動を、会話成功率・ネガ率・残存率・商談化率・市場 NO シグナル率などの数字で測り、比べるための目安です。本記事では LOGOTORU OS の既定の目安 (緑・黄・赤) と、無料診断 33 件の集計 (LOGOTORU Market Index、2026 年 6 月 11 日時点で更新停止) を紹介しています。

なぜ Market Index を公開したのですか?

BDR には「自社の数字が正常か異常か」を判断する共通の物差しが乏しく、各社が感覚値で判断していました。そこで無料診断に集まった数字の集計値を公開しました。2026 年 6 月 11 日時点のスナップショットで、以後の更新は停止しています。

ベンチマークの母集団はどれくらいですか?

Market Index は n=33 件です。無料診断フォームに送信された自己申告値で、2026 年 4 月 19 日から 6 月 11 日までの分を集計し、以後の更新は停止しています。1 件は 1 回の診断送信で、テナントや接触ログの単位ではありません。集計しているのは 有効会話率・ネガ率・健全性スコア (診断独自の 0〜100) の 3 値と、そこから計算した予測 ROI です。

業種別の数字も見られますか?

見られません。無料診断では業種を保存していないため、業種別の集計はありません。本記事 SECTION 4 の業種別の傾向は、支援経験からの定性的な整理です。

自社の数字を入れたら他社に見られますか?

他社に個社の数字や社名を見せることはなく、公開するのは集計値だけです。ただし匿名ではありません。診断値は 1 件ずつ保存され、メールアドレス・会社名を入力した場合はそれらとともに保存されます。

まずは中央値を見る → 自社と照合する

Market Index で無料診断 33 件の中央値 (2026 年 6 月時点) を確認したら、自社の数字を市場健全性診断に入れて差分を出す。 所要 5 分・登録不要・無料 (メールアドレスは任意)。